江戸っ子と出会ったのは、青砥から新小岩駅のバスに乗り「立石の関所」の看板を目にしたのが最初。名店の雰囲気だと感じ、後日訪問。そこから虜になった。
京成立石駅から徒歩数分。昭和の建物にスナックやおでん屋などが集まる「立石デパート商店街」であった「飲兵衛横丁」の奥にある。
カウンターが基本で、1席だけテーブルがある。
「たった一言が人の心を傷つける。たった一言が人の心を暖める」心に刻みたい。

先代のおやじさんがお亡くなりになり、奥様が継いでいる。奥様は演歌歌手の天童よしみにそっくりであり、名物おかみである。膝が悪いため座っていることも多い。お店に必ず出ているのは、ある意味「江戸っ子のプライド」と常連への優しさであろうか。グラスの奥にその姿が見て取れる。
店長の山ちゃん、お客に厳しいが愛情がある恵子さん、寡黙な焼き場のおやじさんなど、店員それぞれが異彩を放っている。

江戸っ子といえば「ボール」を頼まない人はいない。
「焼酎ハイボール」略してボール。全員ボールと呼んでいる、下町では当たり前だ。
強炭酸でオリジナルの焼酎ハイボールが樽から出てくる。氷無しのため量も飲めるし、アルコール度数(推定10度)もかなり高い。2杯でぐでんぐでん、3杯で頂点に達する(笑)

皆ほとんどボールだが、飲み物は他に生ビール、瓶ビール、日本酒などがある。
中には昔ながらのハイサワーもあり甘くて少しアルコールが弱い。
おつまみのもつ焼きは「カシラナンコツ混ぜたれ」

もつ焼きは4本からしか頼めず、違った2種類を2本づつも可能。
一人だともつ焼き1皿と煮込みがあれば充分。
カシラは「モツを持つ」部分にアブラがあり一石二鳥。ナンコツは肉とホネを感じる一品。
煮込みは巨大な鍋で作っており、モツがとろけるくらい柔らかいのとニンニクが効いているのが特徴。大きいのでいつしかできたハーフの方がおすすめ。

江戸っ子は一品料理も充実している。
つまむにはちょうど良い量で、マリネやトマトキムチなどがあったと思う。
飲み屋レベルの指標となるポテサラもあった。ハム、玉ねぎ、にんじんなど野菜を練りこんであり、手作り感が半端ない。

江戸っ子は残念ながら駅前の再開発事業で閉店を余儀なくされることになったが、おかみさんの笑顔と楽しい雰囲気、そしてボールで潰れた思い出は永遠に心に残っているであろう。
ありがとうございました。


